Ⅰ.環境調査事業

 サンゴ生息域は、「海の熱帯雨林」とよばれるほど豊かな「生物の多様性」を持っており、海洋環境に重要な役割を果たしています。近年わが国におけるサンゴ群集は、白化現象、サンゴを食するオニヒトデや巻貝の大量発生、人の諸活動による水質・底質の悪化など様々な危機にさらされています。和歌山県沿岸に生息するサンゴ群集も例外ではありません。


Ⅰ-1.サンゴ群集モニタリング調査

当NPOでは、和歌山県田辺沖の沖島とその周辺のサンゴ群集や和歌山県白浜町沿岸域及び四双島や円月島、権現崎南西のサンゴ群集(しららサンゴ群集)に注目してきました。
 これら海域には、サンゴが高い密度で広範囲に生息し、地元漁師さんや一部のダイバーにしか知られていない未調査のサンゴ群集も数多く存在する海域です。

この地域のサンゴ群集を、

①調査し科学的なデータを蓄積する

②モニタリングによりその変化を捉え保全に繋げる 

③教育の場として、体験学習や実習を通し、サンゴの大切さや環境保全などの理解を求めていく

事業として活動しています。


Ⅰ-2.生物多様性モニタリング調査

 生物多様性モニタリング調査(リーフチェック)は主にサンゴ礁にたいする人為的な影響を観察してサンゴ礁保護に結び付けていく為のモニタリング調査です。

 

 

生物多様性モニタリング調査とは?

 サンゴ礁の生態系の状態を見るために、調査地に生息する生物の種類と数、海底の構成物の種類や数をカウントすることにより、多様性を評価し、経年変化を捉えます。以下の評価項目が主な調査になります。

①魚の種類と数(例えば、チョウチョウウオ、クマノミ・ブダイなど)

②無脊椎動物の種類と数(例えば、イセエビ・ナマコ・オニヒトデなど)

③底質の構成物と数(例えば、サンゴ・海藻・岩など)

 


Ⅰ-3.海からジオパーク

 和歌山県紀南地域は、海洋プレートが大陸プレートに沈み込む際、海底の堆積物などが大陸側に付着しできる付加体が盛り上がり出来上がったものです。
「四万十付加体」「前弧海盆堆積体」「中期中新世火成岩類」の3つの重要な地質現象を手軽に見学できる特徴があります。
 2014年8月28日、日本ジオパーク委員会が開催され、審査の結果、「南紀熊野」地域が日本ジオパークに認定されました。

 私たちは、この地域の沿岸域の資源を「海からジオパーク」と題して、地域の持つ特徴や魅力、みどころを調査し、観光や教育に活用し、地域社会の活性化に貢献します。

 

 


Ⅰ-4.白浜サンゴマップ制作

 和歌山県白浜町の沿岸域には岸から少し泳いだところに大変立派なサンゴが生息します。
 これらサンゴは地元漁師さんや一部のダイバーにしか知られておらず、未調査のサンゴ群も数多く存在する海域です。
 私たちは、この未開発で未調査のサンゴ群集を明らかにするために、和歌山大学の学生達と協力し白浜で初となるサンゴマップを制作することとしました。

○サンゴ群集を教育の場に活用
・サンゴ調査実習と白浜サンゴマップ制作
・実習を伴う課題解決型学習の提案と機会提供
・具体的成果物→「白浜サンゴマップ」

 


Ⅰ-5.和歌山県委託事業(サンゴ調査:2004~05年度)

 和歌山県委託事業として下記の2件を実施完了したの報告します。
・『ニシザキサンゴ』とその周辺のサンゴ群落分布調査およびサンゴ食巻貝駆除
・『ニシザキサンゴ』とその周辺のサンゴ群落基礎調査および紀州灘ネットワークの呼びかけ

 


Ⅱ.海洋環境保全事業

 サンゴ生息域は、「海の熱帯雨林」とよばれるほど豊かな「生物の多様性」を持っており、海洋環境に重要な役割を果たしています。近年わが国におけるサンゴ群集は、白化現象、サンゴを食するオニヒトデや巻貝の大量発生、人の諸活動による水質・底質の悪化など様々な危機にさらされています。和歌山県沿岸に生息するサンゴ群集も例外ではありません。


Ⅱー1.オニヒトデ調査と駆除

 

 和歌山県、白浜に大量発生するオニヒトデの調査報告です。 2008年より白浜町の沖に位置するシソウジマ(四双島)にオニヒトデが多く発見されるようになりました。このまま放置しておくと長い年月をかけて育ったサンゴは数年で激減する状況であることが判明しました。2009年~11年の駆除活動の効果により最盛期の6分の1までオニヒトデの生息数を減らすことができましたが今後も注意深くモニタリングを続けていく必要があります。
 2016年オニヒトデ調査・駆除を本格的に再開しましたので報告します。

☆報告 ⇒ オニヒトデ調査駆除  

☆募集 ⇒ オニヒトデ調査駆除参加者募集

 


Ⅱー2.サンゴ食害レイシ貝の調査と駆除

 和歌山県田辺みなべ地域のサンゴ食巻貝増加の原因が、地球温暖化によるものなのか、周期的な大発生といった自然現象であるのか、一時的な黒潮の接近による平均水温の上昇によるものなのか、明確ではありません。しかし現在の状況は、見過ごすには大きすぎる変化であると考えています。これら巻貝は、以前より紀伊半島沿岸に生息していたことから、巻貝が絶滅するまで駆除することは考えていません。現在のところ、サンゴに多大な影響を与えるまでの生息数ではありませんが、注意深くモニタリングする必要はあると考えます。

☆報告 ⇒ サンゴ食害レイシ貝調査・駆除 

☆募集 ⇒ サンゴ食害レイシ貝調査駆除参加者募集

 


Ⅱー3.サンゴ移植

サンゴ移植 サンゴ移植に対しては、様々なご意見があると思いますが、今のところ実験的に小規模に実施しています。台風や高波、ダイバーによって破壊されてしまったサンゴや貝駆除で壊れてしまったサンゴなど、そのまま放っておいたら死んでしまうようなサンゴを移植に使います。その海域にもともとあるサンゴだけを移植に使用します。継続的に観察できるポイントを作り、サンゴの大切さや面白さなど海の自然環境に対する意識改革に役立てばと考えています。

☆報告 ⇒ サンゴ移植  

☆募集 ⇒ サンゴ移植参加者募集

 


Ⅱー4.海底清掃&ビーチクリーンナップ

 「1ダイブに付、お一人、1個のゴミを海から持ち帰ろう!」 クリーンワン運動にご協力下さい!日頃お世話になっている海をキレイにしよう! ご協力ありがとうございます。合言葉は、「 CLEAN 1 」 です。
空き缶、釣り針、スナック菓子の袋など、ポイ捨てされたゴミを海底でみつけたら持ち帰って捨てるだけ。
1ダイブで1クリーン。ひとりが1つのゴミを拾ったら100万人で100万個のゴミを海中から回収することができます。
あなたのエントリーしたポイントがいつまでも美しい海でありつづけるように・・・
すべてのダイバーにご協力をお願いします。

☆報告 ⇒ 海底清掃&ビーチクリーンナップ

 


Ⅱー5.環境学習・保全活動他

アマモ移植、フォーラム、シンポジウム等

☆報告 ⇒ その他活動